LCCの飛行機からタラップを降りて
空港の一番の外れが
LCCのゲートだった
格安航空は居場所が悪い
ときにはボーディングブリッジもなく
飛行場に着いた飛行機のタラップを降りたら
到着ロビーのある建物までの送迎バスもなく
手荷物持ってぞろぞろと歩いてゆく
雨が降ったらどうするのだ
足の悪い人や老人も
長い滑走路脇の道を歩かせる
それは安いから仕方がないが
わたしはそれが好きで
身近に飛行機を感じながら
外を歩いて空気が吸える
なんとなく異国に着いたという空気を肌で知る
タラップを降りてくるのは
大統領も国賓でもそうだろう
小さな空港ではどこもそれ
その気分を味わえる
着いたらそのまま通路で
広い空港の中を歩かせられるよりはいい
寒い真冬から
赤道の国に降りたら
冬から夏へと飛んできた
気温差だけでなくじっとりと蒸し暑い
香草の匂いが漂うアジアの熱帯へ
足を踏み入れたときから
旅は異質なものになる
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