オートポエティック
自動筆記機械がAIで再生されると
詩人は廃業する
言葉と文字が機械の中で誕生と死
再生産を繰り返し
限りなく自然と社会の仕組みの中に
繋がり分裂と再構築して
新しい詩を続々と繋ぎ合わせて
生命の細胞分裂のように終わりなく
言葉は古くなると再生されて
なにがなんなのか
昔はそういう偶然をねらうランダムな
キーボードで適当に打って変換させた
でたらめな文字を並べて
オートな詩をデカダンに作っていた
それがまた新しい芸術を生むのかと
いまわれわれの手と頭から離れて
詩は拡大再生産されてゆく
それは勝手に節理に基づき
過去のビッグデータの組み合わせ
繋ぎ合わせる部品としての言葉から
新しい創造はされても
血のない数式のよう
どうなのか
そうなのか
廃業した詩人たちは
ぼんやりと地べたに座って
この世の終末を見送っている
TOP