落葉の夢
魯迅は落葉の夢と書いた
それはいまのわたしか
もう木々の仲間たちは枯葉で散ったというのに
いまだ夢を見続けて
路上にだらしなく落ちても
土に還ろうとしない
それで風に吹かれて
朽ちるのも知らない
落葉はまだ旅をしたい
どこか見知らぬ土地に吹かれてみたい
すでに樹木を離れて
死骸になっているというのに
それでも気がつかないで
飛んでいる
頼む
まだ夢を見させてくれ
落葉はなにもかも知っていた
自分はもはや道端の塵芥だということを
それでもどこかに埋葬される素敵な野原はないか
飛んでどこまでも探し続けて
夢の中
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