ふるさとの公園は切り抜かれた想い出

青森の街中のわたしが生まれ育ったところで
いまだに取り残されているかのような街の裏
そこは幼少のときのまま時間が止まっていた
寺の隔地と呼んでいた寺町の裏
そっくりそのまま空き地の公園がある
いま孫を連れて帰省すると
誰もいない落ち葉が積もる公園を歩く
原生林のような大きな木
手入れされていないだけに
自然が残されて
そこで孫と鬼ごっこ
すぐりを取って食べたな
菊芋も掘った
空襲で焼けた寺の瓦礫がまだそのころは残り
壁と柱だけのポンペイのような廃墟が
子どもらの遊び場だった
いまは瓦礫は撤去されて公園になる
防火壁の上も歩いたな
いまだに切り取られた想い出が
あちこちに残されて
二世代過ぎていま孫がそこで遊んでいる

25/12/09 07:17更新 / キム ヒロ
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