読書中仮眠

図書館では老人たちはうたた寝
新聞手にうとうと
ここは老人の寝室か
どうも年とると眠くなる
わたしも本を手にうとうと
本をばさりと落として目が覚める
行間からふと夢の中
いかんいかんと起きて数ページ読むと
また夢の世界に逆戻り
行ったり来たりするのは
その夢現が
なんと気持ちいい
静かな図書館のソファは
わたしのベッドになる
活字の森に迷い込老いたアリスも
不思議なドアを開けて別世界
どうしてか何冊もの本を読んで
脳が拒否反応
もう情報は入れるなとばかり
瞼のシャッターを下ろし
閉店する
その刹那のなんとも心地よいこと
図書館はそうした夢想の老人たちのアルカディア

25/11/17 07:28更新 / キム ヒロ
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