子どもはどうして走るのか

子どもはいつも走っている
元気いっぱいはいい
それにしてもじじは後をいつも
追いかけてくたくた
体力もなく走れない
待て おいてゆくな
老いはだんだんと活力もなく
孫はだんだん速くなる
中には走って転ぶ子どもたち
どうして元気が余っている
その若い力の幾分かでも
じじにおくれ

海辺のシーテラスに行ったとき
久しぶりの海だと
波打ち際まで砂丘を降りて
孫は走る
その後ろ姿をよぼよぼと追いかけて
わーいわーいと歓声上げて
海だ海だと喜ぶ子に
もう泳げないぞ
飛び込むなと
大声で叫ぶ
子どものそれは自然の姿
どこまでも走って走って
砂浜の果てまで走れ
それを目を細めて見送る
潮風もまた大波にのまれて
砂の足跡を消してゆき

25/11/15 07:07更新 / キム ヒロ
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