いつもフリーハンドであること
この世は自由に描きたい
なぞるだけの模写ではつまらないと
若いときからわたしの描く線ははみだし
親父のレールも脱線ばかり
縛られたくない
人と同じ常識を嫌い
わたしの設計図は滅茶苦茶で
決められたルートも無視
それだからみんなが心配して
あいつどこに行ったのだ
旅もそうなら行先不明
明日はどこに行くの風まかせ
それこそ読めない推理小説で
次の一行はどうなるか
ひとりそれで迷ってばかり
老後も好きにさせてもらい
みんなから離れて飛び出して
勝手なことばかりしてと怒られて
風来坊は困ったものだと
それでも
どこに行ってもいつかは帰る
ふるさとの墓
そのとき自由気儘な線は止まるのだ
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