感情賦

陶淵明が好きになる
わたしと同じ足フェチで
閑情賦には
あなたの素足を包む靴になりたいと
うたう
いまも閑に任せて書いてはいるが
閑とは邪悪を防ぐことだとか
閑な情より感情と
その思いを書きつける

颯爽と春に歩く
娘たちの通る足を見る
黒いタイツがだんだんと
暑いと脱ぎ捨てられて
生足になってくると
その細い足にわたしは敏感に反応する
足だけあれば上はいらない
女は足だと
それはフェチという病気
若いときからそうで
何があったのか
わたしは足の細い人と結婚してきた
見合いの席でも足を真っ先に見て決める
あまりに細いと貧弱で
あまりに太いと萎える
その形に拘って
わたしは足と結婚する
毎夜布団の中で足ばかり抱いて
嫁さんはわたしはそのずっと上よと
無視されて怒るのだ
そうかおまえそこにいたのか

どうしてなのか
女の足
子どものときになにがあった
顔や胸には興味なく
見るのは足ばかり
それで怒って
ちゃんとわたしを見てと言う
下ばかり見ないのと
そうかいいことがある
おまえ家では逆立ちしていろ

陶淵明も谷崎も
足フェチでよかった
そんな小説と詩をこれからも

24/04/28 07:44更新 / キム ヒロ
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