秋風に

なんだか
淋しいぞ
口元だけでなく
どこかしこ
あんな猛暑も
いつしか寒い
寒いという感覚だなんて
長袖が歩いている
コート姿も
わたしだけが夏
半袖一枚で
ハーフパンツにサンダル
くしゅんとくしゃみ
ぶるっと震えて
彼岸が過ぎたら
ほんとうの秋なのか
なんとなく
吹きすさぶ路上の
落葉を踏みながら
わたしは詩人になる
言葉は散り
夏の遺骸が落ちている
ここからどう歩いて
どこに辿り着く
行方知らずの
運命というものがあらば
その標識通りに歩いたら
ここはかなしみ一丁目

24/10/04 05:58更新 / キム ヒロ
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