順番
生きるに時があり
死ぬにも時があるとか
同期の仲間たちが次々に斃れる
ここは戦地で最前線か
死屍累々の老後の荒野
七十過ぎてみな死神に捕らえられ
あっさりとあの世ゆき
残されたおれはどうしたらいい
順番があるわけではない
それなのに同い年の親友たちが
この半年で四人も逝った
置いてゆくな
みんなみんないなくなる
病院の待合室で
呼ばれる順番のように
おれは番号札を手に
待っている
白いカーテンの向こう側は
死の宣告のむごい医者が
検査結果のこの世の罪業を
閻魔のように裁断するに
次の方 どうぞ
仲間たちは突然死
自分の死んだのも判らない
それがいい
明日はどうするかと
考えているときにぽっくり
明日なんかなかった
彼の時間は停まった
みんなみんなどこに行く
おれはどうしたらいい
次はいつか
出発時刻のないホームに立って
いつ来るか判らない列車を待って
ひとりいる旅人だ
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