ごじゃらし

ごじゃらししてまった
とは津軽弁で業晒し
人間には業がある
キリスト教では原罪
生きている限り
この世に生まれ出たら
みんなが持つ罪の恥さらし
どんな人でも生きていることが罪なら
それを贖罪の生活で償わねばならない
謙虚に生きて慎み深く

身内もごじゃらしした
それは家族がみんな負う
息子も孫たちもそのために苦労する
恥ずかしいから湘南へと逃げてきた
みんな悪くはないけれど
それが怠惰な生活への仕打ちだった
欲まみれ
ギャンブル依存症
それらの末路がこれだ
悔い改めよ
金は悪の権化と心得て
二度と手は出すな

ふるさとに噂が立つと
もうそこには住めない
罪人の母に
子供らはせっせと手紙を書いて
離縁した息子は親鸞の本を差し入れる
長くて三年
刑務所にいる母からも手紙が来ていた
そこでは欲望はない
金もなければ通信遮断
静かに自分を見つめろ
獄中の鉄格子の窓から
青空の眩しさを仰げ

今日もわれわれは
つつましく目立たないように
異郷の地で生きているのだから


24/09/13 05:22更新 / キム ヒロ
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