波が背中を洗う

波打ち際に寝そべる
砂の布団が低反発
なんて素敵なベッドだ
そこに波が押し寄せて
背中を冷たく洗う
なんと寝湯の感覚だ
そして真っ青な空からは
太陽の日焼けサロン
もうすぐ夏は閉店するから
それまでに惜しむように晩夏のエステ
ごろごろとビーチで焼いている
焼き鳥の群れ
タレは海水の塩ダレか
こんがりと焼いて美味しそう
それとも秋刀魚
そろそろ秋風吹くころに
海水浴もなくなれば
夏の思い出を体の印画紙に焼こう
破れた恋とか男と女のなんたらかんたら
酸っぱいレモンをふりかけて
貝殻も片割れなら
片貝を探しても見つからない相手
そんな足跡が続く波打ち際で
夏の送別会は行われ


24/09/06 03:02更新 / キム ヒロ
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