沼る
若者言葉は新しい
いつしか沼は動詞になる
沼るとは面白い
日本語はそうしてずっと変えてきた
別に怒ることでもない
不変の言葉などない
時代でどんどんと変わってゆく
ところで沼るとは
ずぶずぶとぬかることか
男も女も仕事も趣味も
いろんな場面で足が抜けなくなる
底なし沼なら大変だ
助けてくれ
ここから出してくれと
叫んでいる人たちがいる
だけどぬかるのも気持ちいい
秋田の温泉で灰色の泥温泉に浸かったときのように
泥沼に浸かったら肌がすべすべ
泥全身パックのようで
火山の中で蠢いてみる
どんなにもがいても
誰も助けてくれないのは
自縄自縛なのだ
好きなものにはまる
それがよくて沼る
そうじゃないのか
人って
沼でもがきたがる
それはもはや病気だった
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