たとえば君は

たとえば君は青春
僕は「時」の道化ではなく情熱の吐息

たとえば君は春の光
僕はだくようにあびたい

たとえば君は夏の朝
僕はいつまでも君と一緒に散歩したい

たとえば君は秋に咲く馥郁たるバラ
僕はいつも香水のように付けたい

たとえば君は冬の嵐
僕はアラスカまで追いかけて行こう

たとえば君は美しく前に立ちはだかるスフィンクス
僕は男と女の謎解きに夢中になる

たとえば君は舞台
僕は君のまわりで恋人役になりたい

たとえば君は遊園地の観覧車と
僕はいつでも回って君を眺めたい

たとえば君は便箋
僕は青いインクで愛していると三回書きたい

たとえば君は母なる大地
僕は小さな雨垂れとなって君のもとに溶けいろう

たとえば君は悪魔
僕はスト−ンズの「悪魔をあわれむ歌」を歌ってあげよう

たとえば君はサファイア
僕は大人の落ち着いた輝きを贈ろう

たとえば君はこれで終わり
僕は君の最初で最後の恋人になろう

24/11/25 15:47更新 / 平尾 直久
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