巴里
驕慢な貴婦人の首飾り
大陸の優雅な叙情
何もかも飲みつくす
猥雑なる娼婦
緋色の下着と黒いストッキングを衣装の下に
隠して誘う
巴里の娼婦
私はとまどい
君の美しさに見惚れて
立ち止まるだけ
雨がふる小さな路地裏に咲く
歴史の石畳に
ガス灯は憑かれた月の幻が
夜のシテに
霧雨は憂愁に煙り
夜曲が媚薬のように
肉の中にながれ
ヤギの目を使った大人の戯れは
むなしく
一抹の泡のように消えた欲望のようだ
ありとあらゆる芸術家が謡い描いたが
言い尽くせなかった個性
巴里よ
淫蕩なる巴里がまた私を呼んでいる
甘い言葉が私をよわす
偉大なる理性と
怪奇な感情が混ぜ合わさって出来た
大いなるシテよ
私はもう一度抱きしめに行きたい
TOP