或る夜に

頭上で渦巻くツグミの金属性の鳴き声で目覚め
夜ごとミモザは水の中で花咲く
おお苦しみの暑さの中で

二人の影は光の果てに沈み 歓喜の中で蘇る
そして緑の夜をみずからの手で満たしたい
再びめぐり会えるように君の匂いや眼や声に

震える風の中で生温かい雫が落ちる
嘆きの歌が聴こえる

熟れた星に祈りを込めて二人酔いしれた
動物になって
深い咽喉に流れ込むように星一つ一つに
輝きに別れを告げて

朝がようやく生まれ初めてきた


25/01/25 14:55更新 / 平尾 直久
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