知らない歌
―こんな真夜中に
障子の陰から
覗いているのはだあれ?
黄ばんだ畳、軋む階段。
星霜を経ても 故郷の家は
ちゃんと私を覚えててくれた。
ふと気づくと私はひとり、
小さな部屋で歌を口ずさむ
曲が進むにつれて段々と
歌に夢中になっていく。
なのに、時折感じる視線に
振り向くと目が合ってしまう
そこにいたのは、幼き日の私。
不思議な顔をして、こっちを見ていた
それでも私は、歌うのをやめない
あなたの知らない歌を、
聞かせてあげる。
18/06/28 03:45更新 /
Haruka
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