ホットコーヒーふたつ ブラックで


落葉の頃になると

決まって茶房の片隅に
一人の御婦人が座る

言葉無く 二つの湯気を見つめている

当たり前だった二人の道行きに
左胸のポケットの膨らみに

きっと何かを問いかけて
きっと何かに頷いて

思いの丈を見据えては
心に何かが沁みたのか
湯気がかすかに揺れている

風もないのに







25/11/21 20:32更新 / こころのふりこ
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