ある詩人の指先


言葉が先に立つと
灯りが遠ざかる気がして

静かに
ただ静かに

今までの今と
一瞬の今をみつめている

あてもなくさまよう
どこかの誰かの記憶 名残りの ひとかけ

その灯りの温みを確かめるために
またひとつ またひとつ
言葉を繋げてゆく

灯りに触れるためのモノクロの指先

その指先にぎこちない言葉を託して

25/11/18 08:15更新 / こころのふりこ
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