南天の紅
「 南天の紅 」
化粧っけのないその頬に
ほんのり月が住むような
とてもきれいな人でした
ときめきに
夢見たこともあったろう
恥じらいに
汗したこともあったろう
そぶりを見せることもなく
ただ一人
ひたすら母を演じた人でした
師走の風が舞っている
もしも叶うなら
お前に頼みたい事がある
遠く届かぬ面影の
密かに女で在る人の
その唇に届けて欲しい
庭先に寂しく揺れている南天の紅を
25/11/17 08:15更新 /
こころのふりこ
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