もしも私が月ならば
もしも私が月ならば
星は涙に見えるだろう
旅立ちの日の母の瞳に
別れの日の友の握手の手の平に
ああだこうだと口うるさい恩師の言葉に
終わる命にすべなく見送るだけの胸に
やるせない出来事の顛末の陰に
逃げようのない底から見上げたオリオンの横に
粒となり芯となり
確かに揺れていた幾粒もの涙
そのどれかひとつが欠けても
今の私は無かったろう
大丈夫
自分を好きで居るから
果てしない夜空を
星に囲まれて
いつまでも月のように旅していたい
「ありがとう」の言葉だけをトランクに詰めて
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