秋終い


落葉に唐松が交じる頃
秋は終い支度を始める

ときめきの中で二人歩いた足跡
友との語らいに明日を夢見た足跡
届かぬ想いに言葉すら持てなかった足跡
孤独の中でさすらうばかりの足跡

泣いたり笑ったり拗ねたりいじけたり

土の面(も)を辿る数え切れない足跡に
秋は静かに色付けをする

やがて来る木枯らしに
怯えぬように 凍えぬように
幾重にも幾重にもその色を重ねてゆく

虫の音も消えて
ひばりも草むらに潜む頃

秋は旅立つ

せめてもの化粧を置き土産にして

25/11/11 11:25更新 / こころのふりこ
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