誰も知らない私

私の本当の姿なんて
きっと誰も知らない

素知らぬ顔して道を歩いて
どこにでもいる風情で買い物したりでかけたり

そんな私は普通の女の端くれ
でもそれは仮の姿かも知れない

少なくとも悪人なんかではないし
恐らく人一倍情にもろい
だからいろいろ失敗もした
だけどそれも今にして思えば
私はいつも
寸でのところで救われている

だから今こうして生きている
だから今ひとりでも幸せでいられる

平々凡々とした毎日
そんな中で笑っていられる

人はみんな
人知れず苦労を重ねて
今ここで生きている

苦労を苦労と思わず
それを振り返り反芻することなく

今このときのささやかな毎日を
幸せと思い日々堪能できたら

それはやっぱり神様からの贈り物なんじゃないかな?

ごく普通の人にしか見えない私は
確かに普通の人でしかないけど
でもその実態は意外に強い

自分らしく生きる強さ

日々訪れる少しずつの逆境を
物ともしない強さ

おっとりして見えたって
大人しそうに見えたって
自分を守る強さだけはある私

きっと誰も気づかなくても
だから明日も生きていける

ひっそりでもしっかりと
この世の片隅で生きていける




23/05/14 19:57更新 / 志月
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