記憶の宝石
記憶の中に散りばめられた
小さな宝石を拾い集めながら
厳かにささやかに幸せを反芻して
人は生きていくものなのかも知れない
嫌なことや辛かったことは
いつしか記憶の奥底に追いやられていく
すくい上げた手の中に
さらさらと残るものは
幸せだった記憶のかけら
その小さなかけらを
目を凝らして覗き込めば
あの時の言葉が蘇る
あの時の笑顔が蘇る
その小さなかけらは
宝石となって
私の手の中で熱を帯び
やがて暖かくなる
そして溢れる感謝の心を
これからの生きる糧として
小さな宝石を決して落とさぬように
しっかりとこの手に包みながら
地を踏みしめて歩いていく
手の中の小さな宝石の
確かな輝きを感じながら
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