歩みだす日
ある一定の年齢になると
ひとつ歳が増えようが
ふたつ歳が増えようが
もうどうでもよくなってくる
1年に1度の特別な日
それがとても嬉しかったり
逆にショックで受け入れられなかったり
そう思ううちはたぶん若い
人はある一定の年齢になると
その数を気に掛けるよりも
時に過去を振り返り
自分の残した足跡を
たとえようもなく愛しい思いで
見つめ返したくなるものなのだ
ずーっと後ろにかすかに見える
小さな自分の足跡に
その頃の記憶が重なって見える
私の歩いてきた道には
数え切れないほどの物語が
今も静かに息づいている
そんな途方もない
私ひとりの命の歴史を
誰に知られることもなく
これからもずっと
静かにそっと慈しんでいく
今日までの私も明日からの私も
私であることは変わらない
人は誰も皆1年に1度
生まれ変わる日が訪れる
私は明日またひとつ
新たな歴史を歩み出す
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