朝に思うこと

病室にて
父がずっと眠っている

ただひたすら
こんこんと眠っている

肩に手を置き声を掛けると
パチっと目を開けるが

それは恐らく反射だろう

その姿は17年前の母に似ていて
いずれは誰にも訪れる
その瞬間が近いことを暗示するかのようだ

とても元気な父だった
センスはいいとは言えないけれど
父なりのオシャレを欠かさなかった

そんな父が4年前から
おかしなことを言うようになって
どんどんそれが変化し悪化し

今 病室にて
父はずっと眠っている

ただひたすら  
こんこんと眠っている

そういえば
父方の祖母の命日が近い

そんなことを考えた朝

元気な頃の父ならば
間違いなく出かけたであろう
爽やかに晴れた
雨上がりの朝




24/05/29 09:07更新 / 志月
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