面白いようでいて実は怖い話
ちょっと現実離れしているけど
でも実際にあった話
私は子泣きじじいに遭遇したことがある
話しながら思った
声は大人なのにその会話からは子供の波長が伝わってくる
相手の気持ちを推し量ろうとせず
自分の気持ちだけを押し通す
その様子はどう考えても
大人の姿をした子供だった
顔を見て思った
げんこつみたいにゴツくて丸い骨格と
八の字に下がった薄い眉毛
離れ気味の小さな目
小柄な背丈
そんなふうにどこか子供っぽいのに
ほうれい線がしっかりと刻まれていて
頬には明らかにたるみもあった
そしてそれほど才能があるとは思えないのに
どこまでも自信過剰で独善的だった
どこかで見た顔だと思った
じーっとその顔を見つめながら
思い出そうとした
そしてすぐに私は気づいたのだ
この人は人ではない
子泣きじじいなのだと
そう
その人は妖怪だったのだ
この世に妖怪なんて本当にいるなんて思わなかった
水木しげるさんの漫画の世界にだけいるものだと思っていた
でも、子泣きじじいはいた
本当にいた
本当にいたのだ
妖怪と出会うなんて
これは困ったなと思ったが
子泣きじじいはとても落ち着きがなかったので
その後すぐに私の前から去っていった
そしてそれから子泣きじじいは
二度と再び
私の前に現れることはなかった
本当に良かったと思った
妖怪って実はいるんだな
そう思った出来事だった
皆さんも
子泣きじじいに遭遇することのないように
是非とも妖怪アンテナを
手に入れよう
そして頭上に隠し持っておくことを
この夏には是非ともお勧めしたい
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