暑すぎる夏
暑すぎる夏…
ふと昭和のあの頃を思い出した
幼かった私は暑い夏の日には
いつも汗だくで遊んでいた
喉が渇くと家に駆け込み
水道の水をコップに注いで一気飲み
そしてまた外に遊びにでかけた
開け放した縁側の外には
向かい合わせで犬小屋があって
雑種のあの子がハアハアしながら微笑んでいた
今にして思えば明らかに添加物の色だった真っ赤な色のシャービックを
私はあの子と一緒に縁側で食べた
それにしても犬は強いな
あの頃の犬はみんな
ずっと外にいるのに体調も崩さなかったんだね
縁側に座って私がシャービックを食べていると
あの子がずっとそれを見てて
私があの子にシャービックを差し出すと
首を斜めにしながら上手に食べた
昭和の夏の日はいつも暑かった
そんなことをこの酷暑の中で
ふと思い出した
シャービックを一緒に食べたあの子は
もうきっと生まれ変わっているんだろうな
あの夏は暑かった
そして今年の夏もとても暑い
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