ひきこもりの青春
青春って、人によって見える景色が全然違うと思う。
部活で仲間と協力し合っただとか、仲間内でアニメの話で盛り上がっただとか。
でも俺の青春は少し違う。
元々不登校だった俺は、リアルでの友達は指で数えられるほど。
特に平日は友達も学校にいるため、昼間はたいてい一人で過ごすか、ネットで知り合った友達と遊ぶ。
そんな俺にも青春はあった。
ゲームの途中、食事の途中、絵を描いてる途中、ふと窓の外に映った空を見上げる。
「それだけ?」と思うかもしれない。「浅い人生」と思うかもしれない。
でもこの空を見上げていた時間は、俺にとってとても大切な人生の一コマだ。
早朝の空、思わずため息が出るくらい美しく、自分の心が浄化されていくのが分かる。しばらくの間、登下校中の学生を眺めながらふらふらと散歩したくなる。
午前中の快晴もすごく美しい。神社や廃校の日陰でゆっくり本でも読んでいたい。
午後や夕方の空は、現実に引き込まれそうで少し見るのがつらい。けれど、紫と青のグラデーションに割り込むオレンジや赤色の雲がなんとも美しい。変わりゆく空を眺めながら、田舎道をゆっくりと散歩したい。
夜、雪が降っていると少し気分が上がる。山の中にある踏切で空から降ってくる雪をいつまでも眺めていたい。
雨の日はどうだって?そうだなぁ、傘をさしながらレンガ道で彩られたカフェ街をゆっくり歩くかな。
数年経った今、俺は普通に学校に通っている。
友達もそれなりにでき、勉強にもついていけている。
なんなら念願の運動部にも入れた。
個人的にかなり充実した一年だったが、俺の中ではどうしても「俺の青春」として取り入れることができなかった。
俺は今、頑張って勉強している。
時間と金、両方を将来に残したいからだ。
老後は残りの人生、ゆっくりと俺の青春を満喫しよう。
今度は妄想ではなく、自分の足で。
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