酸欠少女

他人の不幸は望まない
でも他人の幸せは見たくない

心臓に穴を開けて
さっきつんだ花をいける
そんな生き方をしてみたい

ハローハローハロー
排気ガスと青い空
ハローハローハロー
窓に反射した紫外線

息を切らして走るあの少女は
きっと夏の残像
飛び越えた水たまりは
積乱雲の忘れ物

音も光も酸素も
追いつけないスピード
そんなふうに生きてみたい

息を切らして走るあの少女は
きっと風の面影
すれ違った透明は
低気圧の落とし物

息を切らして少女は走る
生き急ぐように待ち侘びるように
息を切らして少女は走る
この瞬間を逃さないために
髪をなびかせて走るあの少女は

23/09/01 20:40更新 / 平沢小歌
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