月の住人
僕は平気だよ
死なない程度に生きてるよ
空っぽには慣れっこだよ
あの日の嘘はまだ嘘ままだよ
眠れない夜は裸足になって
冗談だよっておどけてみせて
覚めない夢なら幸せだって
大丈夫って強がってみせて
いつしか何も見えなくなって
しだいに何も聞こえなくなって
最後は何も感じなくなって
だけどまだ それでもまだ
きっと何もかも違うんだね
軽い体も重たい心も
あの星はまだ光ってますか?
丸い地球と欠けた月
わがままで一方通行な
言葉に色を乗せて飛ばすよ
届かないことは知っているよ
報われないなら夢を見せないでよ
384,400kmを泳いだ言葉たちは
大気圏で燃え尽きた
その日は記録的な流星群
七色の星が夜空を駆ける
耳をすましても何も聞こえない
だけど少しだけ優しくなれた
役目を終えたことを知ると
静かに星たちは燃え尽きた
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