夏も海も夜も残酷で

「限界は自分で決めるんじゃない」
目の前が真っ暗になる瞬間
中学の体育の先生の言葉が思い浮かんだ

どこからが僕のせいで
どこまでがあなたのせいで
どこからが我慢で
どこまでが努力で
どこからがSOSで
どこまでが弱音で
どれが越えていい線で
どれが越えたらいけない線ですか?

僕の病気がなおったら
一緒に海を見に行こう
花火をして星をみて
泣いた分だけ笑えるように

僕の病気がなおったら
一緒に海を見に行こう
沈みゆく夕陽を眺めて
笑い方を思い出すために

不可逆の坂を転がりながら
無意識で踏み越えた線は
いったいどっちだったのだろう?
力の入らない身体は誰のものだろう?

真っ黒を見ながら
心臓が止まる音を聞いた

23/06/13 23:59更新 / 平沢小歌
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