ワールドエンドはカナリヤの鳴き声に似ている
いつかどこかで誰かが言っていた
世界の終わりはレモンティーの香りがする
本に書いてあったらしい
そんなはずないのに
なぜか信じてみたくなった
海が青いのは空が青いから
それぐらいがちょうどいい
いつも通りの朝
彼女はパンを焼く
少し多めのジャムをつけて
これぐらいがちょうどいいと笑う
ラジオから聞こえてくる
スーツを着た終末の足音
怯えるでもなく興奮するでもない
いつも通りの朝を過ごす
トーストとレモンティー
ボリュームを下げたラジオ
窓の外で鳥が鳴いている
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