星が見たいと言ったから

もうずっと
プラネタリウムで暮らしている
たったひとり
今日も特等席だ

言葉も声も
音も色も無い世界で
待っているから

パッパッパラ
足音が近づいてくる
パッパラパラパ
もう何もいらない

朝も夜も
明日も今日もない世界まで
連れて行ってよ

パッパッパラ
ねぇ教えてよ
パッパラパラパ
ねぇ助けてよ

体温も涙も
嘘も本当もない世界なら
また笑えるかな

何もない
何ひとつない
決して手に入ることのない
星だけが光っている

24/05/15 23:47更新 / 平沢小歌
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