人は死ぬし、鐘は鳴る

僕に嘘をついたあの人が死んだ
いつどこで死んだのかは知らない

納得はしてないけど
仕方ないとは思っているよ
事情を知らない地球が今日も回る
素知らぬ顔で雨が降る

誰かの幸せを知らせる鐘が鳴る
いつどこで鳴ったのかは知らない

気を抜くときっと泣いてしまうから
考えるときっと泣いてしまうから
知らない街から知らない街へ
空を泳ぐ虹色のサカナ

生きていてよかったと次に思えるまで
あと何回死にたいと思えばいいのだろう

生きることは楽しいと
僕に嘘をついたあの人は
どこかで死んだらしい

あぁ僕は
何になりたかったんだっけ
あぁ
何が楽しかったんだっけ
ただ
幸せになりたかっただけ
生きていたいだけ

水色の風が次の季節を連れてくる
半透明の夕月が夜を連れてくる
時計の針が明日を連れてくる

何を間違えて
どこで間違えて
何をどうすればよかったのかな

24/04/24 22:28更新 / 平沢小歌
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