オーロラ
あぁもうやめてしまおうか
いやもうすこしがんばろうか
暗闇をふみしめて
手探りの丘をゆく
夜空から今日もひとつ
星が消えた
死にたいと言うと
「生きたくても生きられない人がいるのに
わがままを言うな」と言っていた人が
別の人には
「他人と比べるからダメなんだ」と言っていた
吐く息と闇のコントラストが
より一層濃くなる
ようやくここまできた
丘の中腹に差し掛かる
「迷惑をかけないように頑張るよりも
頑張って倒れられた方が迷惑をかけるよ」
目の前の一歩で精一杯なのに
そんな先のことまで考えられないよ
目印のない暗闇を
心の声を頼りに歩く
切り裂くような寒さが
そっと寄り添っている
全部優しさだって分かっているけど
受け止めた瞬間に割れてしまうよ
気を使われていることが分かるぐらいには
大人になったみたいだった
あとどれだけ歩けば
褒めてくれますか
あとどれだけ頑張れば
褒めてくれますか
三日月がこぼした
ハチミツのような涙は
夜空の頬をつたって
オーロラになった
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