猫と99進数の環状線
勝手に期待して
勝手に裏切られた気になって
元に戻っただけなのに
何かをなくしたような気がした
傷口からは熱がこぼれて
あたたかい部屋でひとり
震えを誤魔化している
寒いわけではないのに
絶望にレモンを絞ったら
希望にかえてしまう魔法使い
一晩で元に戻るから気をつけて
1匹の猫がゆく99の夜には
1つの月と99の星
1匹の猫が唄う99の歌には
1つのホントと99のウソ
もう会わなくなったあの人や
やがてそうなるあなたを
思い出すたび苦しくなるのに
忘れることが出来ないまま
自分を殺すことでしか
自分を救うすべが分からないから
耐えられない痛みを
カミソリで小分けにする
1匹の猫がゆく99の夜には
1つの傷と99のバンソウコウ
1匹の猫が見た99の夢には
1秒と99時間
今もどこかで泣いている君を探して
1匹の猫がゆく99の夜
1冊のノートに99の言葉
1匹の猫がつけた99の足跡
泣いているのは僕の方じゃないか
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