あのね

視線の先に見える星は
まだ見えるから希望なんだ
叶い終わった願いや夢は
振り向かなくちゃ見えないんだ

君はどこにいる 星空のどこに
置いていくわけにはいかないから

伝えようがないありがとうや
言い方を知らない心配を
知らないなりに思い描いて
君に贈りたいのは
なんでかな 分かるでしょう


君がねじ込んだ500円は
まだ使わずに取ってあるよ
寂しい夜にひとり歩いて
ポケットの中で数えているよ

音をたてて擦れる五枚の銀貨が
人肌に温まって まるで手を繋いだみたいに

目に留まった花も山も
目には見えない不安さえも
ちっぽけだろうと どうにかして
全部分け合いたいのは
精一杯の抵抗だ

相も変わらずに
悪寒は後ろに忍び寄る
教えてくれている
冷たい手を握って
必死に食い止めているよ

目には見えない不安さえも
知らないなりの心配を
精一杯 放り投げて
打ち砕いていると信じている
同じ時間じゃなくても
どれほどちっぽけだろうと
伝えてほしい
君と分け合いたいから
君と分け合いたいのは
なんでかな 分かるといいな

23/05/23 15:53更新 / でんしん
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