中の下の痛み

まただ またこの火照りだ
今年になって何度目になった

名前もつかないけだるさなんて
街行く人 皆持つと言う
それを抱えて生きる人々
不満はどこに捨てていったの

嫉妬なんかすることはない
だって自分のことで精一杯

まただ またこの火照りだ
良くなったってぶり返す熱
どこも悪くない 中の下くらい
拾ってしまうよ こんな機微も
死にそうなくらいに平和だから


心が良くなって次は身体
空っぽのバケツは転々と
それを抱えて歩く人々
満たされた顔の明るい人

嫉妬なんかすることはない
それより下を見て笑いたい

まただ またこの痛みだ
どこかしら気づく 探したから
それをやめたらくたばるのかなぁ
寝て過ごすなら 同じかなぁ
同じようにどこかしら痛むのなら


嫉妬なんかする暇はない
生き方をいつだって探している

まただ またこの火照りだ
無視するだけ燃え上がる熱
今は悪くない 動けるくらい
感じているよ その先の危機を
胸の痛みやなんやかんや
次の季節へと増えていって
どのくらいしたら破裂する
あとどのくらい生きられる

死にたくない どうせ死ぬなら
死ぬほどもがいて 死なせてくれ
雪玉の最初 胸の痛み
ちらつく結晶 黒髪に

22/12/01 12:39更新 / でんしん
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