不和の密室

こんなに静かな朝は初めてだ
大抵何もない毎日に
はっきりともう変えられない何かが起こったことが分かった

君がいなくなってから 僕は
ずっと1人だった気がした
思い出も後悔もなかった
そう思うことが悲しいと思った

繰り返さないために
歯車はずっとそこで回っている
足の踏み場もない気持ちで
ずっと耐える時を増やしていく

歪な形で押し込まれた正義が
あっちにこっちにひしめき合って
逃げ道を探して
家の中にはもういっぱい 助からないよ
今にも破裂しそうな心を
他人に自分に行ったり来たりで
置き場所を探して
それでもなくならない しぼまないから
1度壊れてから またさようなら


大嫌いなものを叫んだ夜が
自分の胸を突いて戻ってきた朝
それでも嫌うしかない悲しみを
それ以外で伝えられずにいる

好きな頃なんて一つもなかった
血の匂いがする鎖に繋がれて
断ち切るにしても無事では済まなそうだと
自覚したなら背中を向けられる

手と手で繋ぎ合うための努力も
技術も願いも欠いてきた
結び目に甘えて
また始めるにも精一杯 助からないよ
せめて思い思いになるようになれ


外の空気を吸えたなら
元気になるかもしれないよ
窓の開け方を知らないの
知ろうともしないの

手と手で繋ぎ合うための努力も
技術も願いも欠いてきた
それが必要だった
自覚したなら逃げられる 助からないから
歪な形で押し込まれた正義が
あっちにこっちにひしめき合って
ようやく回っている
1つ失われた歯車は壊れたことに
やっと気づいて さようなら

22/10/16 13:04更新 / でんしん
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