叶った恋

どうしてあの娘はこんなにも
自分を受け入れてくれるのだろう
枕の上に横たわりながら
ぼんやり考え込んでしまった

今日はやり過ぎたかなと
後から思うような夜は
せめて最大の感謝で償うしかないのかな

気づけばまた覗き込んで
顔色を伺っている
何十年と続けてきた癖はそう変えられはしない

自己実現が押し寄せてくる
僕には止められない
喜ばせたい 笑いたい
君の横顔を見ていたい
こんなに容易く叶っても
まだまだ足りちゃいない
いつまでも、とか願ったりして
どうにも満たされない


どうしてあの娘はあんなにも
自分と世界が違うのだろうか
手を繋ぎながら消えない疑問を
再び考え込んでしまった

自信が消えそうになる僕の隣で
自信ないんだね、と君が認めた
もう勝てる気がしないんだ

せめて矢継ぎ早に出すおべんちゃらで
少しでも笑っておくれ
君の幸せになれないと僕は隣を歩けない

変われることを期待して
ちょっと背伸びをして
気づけば君が寄り添ってきて
僕はまた変われない

自己肯定が先を急かす
僕には頷けない
ありのままの君が好きって
言葉が信じがたい
疑いながら側にいる
せめて縋るように
向こうの景色が見えるほどに
顔色を覗かせて


気持ちが膨らみすぎて辛い
そんな段階にやってきた
君が着飾るほどに僕には
抱えきれなくなるよ
だけどそれでも 跪いても
君のそばにいたい
これは僕のための願い

自己実現が押し寄せてくる
僕には止められない
強くなりたい 笑いたい
君と不安に負けたくない
疑問と戦い続けてでも
この手は離さない
いつまでも ただ確かめたくて
幸せを覗かせて
君の顔が表している
幸せを覗かせて

22/10/11 00:41更新 / でんしん
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