恐怖を繋ぐ手

絶対離れないからねって その手を握ってみせた
証を伝えるつもりで
終点 「またね」手を離した時
不吉な恐怖が襲ってきた

全てのものには終わりがあるなんてことは
とうの昔 君も僕も
カブトムシの死から教わった

手は離れちゃうから
離したくないと思うんだ
そのためなら僕は
何だってできてしまうんだ
だからこの恐怖とは友達でいよう
いつでも僕を脅かしにおいで
迎え撃ってやるよ!


君も多分 同じ気持ち
臆病なとこばかり重なって
視線一つ一つがいちいちおかしくて
お互いまだ信じられないまま
信じられないほど近くにいる

暗がりでまどろみで 今出会えたよ
透明だった君の表情が眩しくて

君に色がつくたびに
ダイヤみたいに輝いて
また一層分からなくなって
また一層離せなくなって
知らない世界で恐怖ともまた会うよ
でも怖くない 君がどうだろうと
どうしようもなく強くなったから


通学路で見つけた宝石のように
ポケットに入れて 大切に帰りたい

君が色をつけるたび
ダイヤみたいに笑うから
また一層分かりたくなって
また一層近づいちゃって
君とは右手を 反対は恐怖を掴むよ
友達でいよう 君がどうだろうと
幾度となく 怖くなれるから

22/09/30 18:50更新 / でんしん
いいね!感想

TOP


まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.35c