雨の世界
雨の音は結構好きだよ
しとしとでも 土砂降りでも
サッシを開けたら 粒さえ見えて
それを眺めて聴いていた
昨夜の空から だいぶ晴れて
重たい頭を支えて 道を歩く
あんまり眠れなかったことは
暑苦しかったせいもある
2、3粒 降り残した雨の中
向こうの傘をかわした白線の上
重たい頭を支えきれずに
うっかり うなだれてしまって
真っ黒なアスファルトに溜まった
2、3粒 揺らぐ水面に
鏡の中の世界が見えた
頭上のコブシが手を振っていた
灰色の空が広がっていた
どこまでも続く地面の中
だからどうしたとも言えないけど
気づけてよかったと心から思う
感じてよかったと心から思う
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