レタッチ
それはもう遙か昔のこと
光射す窓の下で絵を描いた
ぼんやりと滲み進んでいくテーマは
誰かの笑顔だった気がする
日々 陽の中を負けず歩くたび
大きな距離を作っていく
赤い鮮の木立ち 閉じ込めておきたくても
世界は朽ちないことを許さない
眼球の奥に描かれた 何より大事だった絵画
朽ち果てるのを 古びるのを止められない
あの時使った絵の具はもう居ない
朽ち果てるのを 古びるのを
ただ いつも眺めている
25/11/16 12:26更新 /
でんしん
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