浅瀬で遊んでいる
買ったばかりの腕時計を
落として壊した砂浜
リアリスト達の気持ちを押しては
海へと引き込む波
広すぎる世界は持て余すから
手を伸ばせる距離でいたかった
いつの間にか誰もいない寂しさを
絶えず潮騒が埋めた
残り香とか挨拶の欠片でいい
当たりくじをまさぐるように
潮だまりを覗いて
何にもないねと繰り返す
君を連れ去った離岸流を
僕は追いかけられなかった
波の間に弾ける幻想と
日が暮れるまで遊んでいる
どこへも行けず 戻れず
ただ打ち返す浅瀬で遊んでいる
25/07/10 23:20更新 /
でんしん
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