浄化

さぁ羽を広げて見下ろそう
頭の裏にある箱庭で
ひとりしかいない世界を飛んで
本当のものを探しましょう

例えばそこから消えてしまったら
美しい思い出が残るように
昇る魂の正体はきっと
汚れた部分の塊と言えるだろう

飛び立つ鳥 振り向いた時
よごれた大地が楽園に映る
決してそうではないこと
知って切って去ったはずなのに

前を向いて 己のことは
青空に映えていてくれと願う
気配もしない地上に向けて
力強く羽を広げて

浅はかな私の合点は
己の姿も穢していく
もしも地上の民がいたら
昇った私の正体はきっと

未完成に開く箱庭の中
ハレーションのような霧がかかり
昇る魂の正体はきっとどうでも
遠く 空に光る

25/05/24 17:51更新 / でんしん
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