巡礼
ずっと
スカイツリーに行きたかった
あの人がいなくなってから
空まで一番近い場所とか
そういう理由じゃないけれど
彼の足跡がそこにあると
いつかのお土産が言っていたから
形のない影に重なって
低く街を見下ろす
ミニチュアみたいな彼の街は
川に流れた憎しみがちらつく
孤高の塔の上に立った
彼はどこまでも孤独で
ぎゅう詰めのエレベーターにくらい
1人分の居場所を見い出せただろうか
快晴の眩しさに溶けて
僕は時間を忘れていく
降りる頃にはまた明日
この場所にもさようなら
スカイツリーに行きたかった
彼の足跡がまた消えていった
僕は時間を忘れていく
全てそうする その前に
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