ものひろい

続く道の途中で
ふと足元に目をやれば
楽しい草や花に出会う
足跡の形に笑う

そうやって食いつないだ
いつまで続くあと一歩
毎度同じようにぶつかる
泥濘に汚れて

それほど深いわけじゃない
それでも足を取られて
浮き足立ちも スキップも
申し訳なくなって 慎ましく歩く

食らった大きな悲しみは
幸せで打ち消せることはなく
ただただ再起の一歩目を
徐々に重くしていく

本当は座りたいのだ
土砂降りが来たってその場で
明日に役立つ欠片たちを
拾っていく意味を考えた

苦しみを超える一歩を
誰が持っているだろうか
泥だらけで霞んだ私の頭は
それすら望めない

24/10/26 07:44更新 / でんしん
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