オレンジのメダル
汗の滲む間もないような今日は
灼熱という言葉がよく似合う
分離帯にはモウズイカ
火星みたいな裸の土地で
カラカラになってのさばっている
人の暮らしが板についた僕は
信号待ち 冷風を浴びて
ふわふわのシートに載っている
ガラス越し 耐える塔の群れに
睨まれ続けて少しだけ汗をかく
上に向かうだけの人生
僕の意志とは関係なく
そうあるべきもの
気がつけば夕方 空の彼方に
薄く伸ばした雲の裏
隠されている日が沈もうとしている
車を降りて探してみても
立ち並ぶ家が塞いで
間もなく夜になる 行くあてもなく
黄昏の空に浮かぶ勲章は
歩いたって届かないらしい
まだ熱が残る駐車場で
僕はそれが欲しいと思っていた
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