感情緩衝
田舎道 朝イチ
逆走する自転車が弧を描いて
危うく捕まるところだった
勘弁してくれよって
燦々と差す太陽光線の中和剤が
まるで最初から良い日だったように
ガラスの景色を彩った
太鼓が鳴り 現れた怒りも
口角を上げて溶けて消える
それだけしかしない 僕の切り札
なんて頼りないことだろう
流したい涙はちょっと滲むばかりで
来ない君のメッセージすら
未だに読み取れる
頬を打たれるような不条理だって
体の底が笑えと願って続く
悲鳴を上げ 湧いた悲しみも
笑みに変わって そして消える
そんなとこまで守らないでよ
諦めるんじゃないよ
厚い水面は否応なしに
全ての雨を受け止める
だんだん濁っていくのがわかる
ガラスのように弾く強さを
引きつる顔がいつも願う
引きつる顔がいまも願う
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